浪江駅に到着した「ひたち3号」
9年ぶりに常磐線が全線開通! 福島県浜通り北部を訪ねて
行ってみた! 聞いてみた!
3月14日、東日本大震災の影響による常磐線の不通区間が開通し、9年ぶりに全線で運転が再開した。そこで、今回は再開した浪江駅をスタートに地域の見どころを探してみた。
上野駅8時発の「ひたち3号」に乗車し浪江駅へ。駅で新たに導入された「話せる指定席券売機」を使い帰りのチケットを購入した後、浪江の町を歩いてみる。浪江町の震災前の人口は約2万1500人だが、現在町で暮らす人は約1100人。近隣の福島第一原発事故の影響で今も多くの人が町外で避難生活を余儀なくされている。
そんな中、名物「なみえ焼そば」を守り続けるのが、「浪江焼麺太国(やきそばたいこく)アンテナショップ」の浅見公紀さんだ。なみえ焼そばは町のソウルフードとして、一時期は20店舗を超える店が町内に軒を連ねていたが、震災の影響で今では浅見さんの店でのみ食べることができる。地元を盛り上げようと町に残り、伝統の味を守り続けているのだ。濃厚ソースで炒められた通常の約3倍の太麺は絶品。満足して次の場所へ向かった。
浪江焼麺太国アンテナショップ
浪江町のソウルフードなみえ焼そばを守り続ける
所:福島県双葉郡浪江町幾世橋字六反田7-2/営:11:00〜15:00/休:土日祝/☎0240-34-7260
店主・浅見さんの豪快なこてさばきはカウンターの外から見ることができる
なみえ焼そば(大)に生卵とつけ汁、揚げたこ焼きをつけてボリューム抜群
300余騎の騎馬武者が疾走
勇壮な「相馬野馬追」
開通した双葉駅から原ノ町駅のある福島県浜通り北部は、長く続く祭り「相馬野馬追(そうまのまおい)」で有名だ。毎夏3日間にわたって行われるこの祭りでは、甲冑に身を固めた300余騎の騎馬武者が腰に太刀、背に旗指物をつけて疾走。まるで戦国時代にタイムスリップしたような、勇壮な祭事だ。
その初日と最終日の舞台となるのが、小高駅近くの相馬小高神社。元はこの一帯を治めた相馬氏の居城で、県指定重要有形民俗文化財の「相馬野馬追額」を所有している。
相馬小高神社
「相馬野馬追」最終日の舞台となる歴史ある神社
所:福島県南相馬市小高区小高古城13/東日本大震災後は常駐していないため、訪れる際は連絡を
☎0244-44-2323
「相馬野馬追額」が所蔵されているほか、関連する絵も飾られている
平将門が行った軍事訓練が始まりとされる、相馬野馬追の歴史や現在の祭りの様子は、原ノ町駅から車で10分ほどの南相馬市博物館で知ることができる。同館では、勇壮な祭りの様子をジオラマで再現。甲冑などの祭具、江戸時代の野馬追が描かれた「相馬野馬追図屏風」が常設展示されている。
新型コロナウイルスが終息した暁には、相馬の歴史に思いを馳せる旅を楽しんでみてはいかが?
南相馬市博物館
南相馬市と周辺地域の自然・歴史・民俗の資料が満載
所:福島県南相馬市原町区牛来字出口194/開:9:00〜16:45/休:月(祝日の場合は翌日)・年末年始/☎0244-23-6421
「相馬野馬追」の再現ジオラマのほか、地域の人々と馬の関わりが分かる資料を展示
※ 営業・催事・開館・列車運行等の情報は変更となる場合がございます。最新の情報につきましては、各公式WEBサイト等をご覧ください。
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常磐線全線運転再開に合わせて「話せる指定席券売機」を導入
常磐線の全線運転再開に合わせ、JR東日本エリア内で初めて広野、富岡、大野、双葉、浪江の5駅に導入された「話せる指定席券売機」では、通常の指定席券売機としての機能のほか、受話器や液晶モニター、証明書などを確認するカメラ機能により、オペレーターとの会話を通してみどりの窓口のように安心してきっぷを購入できる。証明書等が必要なきっぷや新年度の通学定期券も購入可能になった。「話せる指定席券売機」は、今後JR東日本エリアで順次設置が拡大される予定だ。
STEP01
通常の指定席券売機としても使用できるほか、オペレーターへの相談は画面の呼び出しボタンまたは受話器のボタンを押す
STEP02
券売機上部の画面にオペレーターが登場。「何時ごろに到着したい」など具体的に相談しよう
STEP03
証明書や割引証など、必要な書類の提示を求められたら券売機右のテーブルに置くと、オペレーターがモニターで書類を確認してくれる